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日中の眠気を払うための昼寝は、30分以内が目安です。厚生労働省が2014年にまとめた「健康づくりのための睡眠指針2014」は、夜に十分眠れず午後に眠気が出たときは、午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的だとしています。日本でよく聞く「15分仮眠」や「パワーナップ」も、この範囲に収まる短い仮眠のことです。
30分を超えて眠ると、眠りが深くなり、起きたあとに頭がぼんやりした状態が長引きやすくなります。夜の寝つきにも響きます。短く、早めに、起きる時刻を決めてとる。この3つが上手な昼寝の基本です。
なぜ短い昼寝がよいのか
眠り始めは浅い眠りから始まり、時間がたつにつれて深い眠りに入っていきます。深い眠りの途中で起こされると、すぐには頭がはっきりせず、だるさやぼんやり感が残ります。これを睡眠慣性といいます。
短い昼寝なら、深い眠りに入る前に起きられるので、睡眠慣性が出にくく、起きてすぐ動き出せます。逆に、昼食後に1時間、2時間と眠ってしまうと、起きてからしばらく頭が働かず、かえって午後の作業がはかどらないことがあります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、交替勤務の人の夜勤中の仮眠について、0時から4時ごろに始める20〜50分の仮眠は眠気や作業効率、疲労を改善させたという報告を紹介する一方、仮眠を60分と長めにした研究では、かえって仕事の効率が下がったと報告されていることに触れています。仮眠が長すぎると眠りが深くなり、起きたあとの強いぼんやり感が生じやすいためと考えられる、としています。
何分がいいのか、目安の整理
昼寝の長さは、目的によって考えるとわかりやすくなります。
- 10〜20分。 眠気を払って午後の作業に戻りたいときの短い仮眠です。深い眠りに入る前に起きやすく、起きてすぐ動き出せます。いわゆるパワーナップはこのあたりを指すことが多いです。
- 20〜30分。 少し長めですが、指針が目安とする30分以内に収まります。寝つくまでに数分かかることを考えると、横になっている時間として30分ほどを見込む人もいます。
- 30分を超える。 眠りが深くなり、起きたあとのぼんやり感が出やすくなります。夜の寝つきにも影響しやすい長さです。
よく引き合いに出されるのが、NASAが長距離便のパイロットを対象に行った研究です。操縦室で40分の休息の機会を与えられたパイロットは平均で約26分眠り、休息をとらなかったパイロットに比べて、その後の覚醒度や作業の成績がよかったと報告されています。特殊な環境での研究ですが、短い仮眠が眠気対策として役立ちうることを示す例のひとつです。
長い昼寝の習慣には注意
ときどき長めに眠ってしまうことはあっても、長い昼寝が毎日の習慣になっている場合は注意が必要です。「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、高齢の世代について、30分以上の昼寝を習慣にしている人は、昼寝の習慣がない人に比べて将来の死亡リスクが1.27倍に増えると報告されていることを紹介しています。また、長い昼寝や頻繁な昼寝は、夜の睡眠の質の低下とも関連するとしています。
これは、長い昼寝そのものが原因と言い切れるものではなく、体調の悪さなどが昼寝の長さとリスクの両方に関わっている可能性もあります。とはいえ、昼に長く眠らないと持たない状態が続いているなら、夜の睡眠時間が足りていないサインかもしれません。ガイドでは、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを勧めています。
昼寝をとる時間帯
昼寝は午後の早い時間帯にとるのが基本です。指針も「午後の早い時刻」としています。昼食後の早めの時間に済ませておくと、夜の寝つきに影響しにくくなります。夕方以降に眠ってしまうと、夜になっても眠気が来ず、寝る時刻が遅れる原因になります。
職場や学校で昼休みに仮眠をとるなら、昼食を食べたあと、午後の始業前の短い時間が使いやすいでしょう。
上手な昼寝のとり方
- アラームを必ずかける。 「少しだけ」のつもりで目を閉じると、思った以上に眠ってしまいがちです。寝つくまでの数分を見込んで、目標の時刻にアラームをかけておきます。厚生労働省のガイドも、長時間の昼寝を避ける工夫として、目覚ましをかけることや、同居する人に起こしてもらうことを挙げています。
- 横にならず、座ったまま眠る。 机に伏せる、椅子の背にもたれるなど、浅い眠りのまま起きやすい姿勢がおすすめです。ベッドで本格的に横になると、深く眠り込みやすくなります。
- 仮眠の前にコーヒーを飲む方法もある。 ガイドでは、コーヒーなどでカフェインをとってから仮眠を始めると、起きたあとに目覚めやすく、ぼんやり感も出にくいという報告を紹介しています。ただし、夕方以降のカフェインは夜の眠りに響くので、時間帯には気をつけてください。
- 起きたら光を浴びて体を動かす。 カーテンを開ける、窓際に行く、軽く伸びをするなどして、体を起きている状態に戻します。
- 夜の睡眠を削る前提にしない。 昼寝はあくまで補助です。昼寝で取り戻せるから夜は短くてもいい、とは考えないほうが安全です。
Snoraの仮眠タイマー
Snoraには仮眠タイマーがあります。長さを選ぶだけで、Snoraがカウントダウンし、時間になったらアラームで起こします。昼休みの15分、移動前の20分のように、長さを決めてすぐに始められるので、「少しだけ」のつもりで寝過ごすことを防ぐのに向いています。仮眠タイマーは無料の機能です。
同じアプリで、アラーム、睡眠サウンド、スマホの動きによる睡眠の記録も使えます。昼寝をした日とそうでない日で、夜に眠った時刻がどう違うかを記録で見比べてみると、自分にとってちょうどよい昼寝の長さや時間帯を考える手がかりになります。記録はスマホの動きから計算した推定です。
よくある質問
昼寝は何分がベストですか?
日中の眠気を払う目的なら、30分以内が目安です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」は、午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的だとしています。すぐに動き出したいなら、10〜20分ほどの短い仮眠が使いやすいでしょう。
昼寝をしすぎると頭が痛くなったりぼんやりしたりするのはなぜですか?
長く眠ると深い眠りに入り、その途中で起きると、頭がはっきりしない状態がしばらく続くためです。これを睡眠慣性といいます。30分以内の短い昼寝にとどめ、アラームをかけて起きる時刻を決めておくと起こりにくくなります。
昼寝は何時までにすればいいですか?
厚生労働省の指針は「午後の早い時刻」としています。昼食後の早めの時間に済ませ、夕方以降は避けるのが無難です。夕方以降に眠ると、夜に眠気が来にくくなり、寝る時刻が遅れる原因になります。
15分の仮眠でも効果はありますか?
あります。短い仮眠でも、眠気が和らいだと感じる人は多く、深い眠りに入る前に起きやすいので、起きたあとすぐに作業へ戻れます。座ったままの姿勢で、アラームをかけてとるのがおすすめです。