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寝るときにホワイトノイズや雨の音を流すと眠りやすくなるかどうかは、研究ではまだはっきりしていません。眠りやすくなったと感じる人がいる一方で、効果を確かめた研究の質は高くなく、「誰にでも効く睡眠の道具」と言える段階ではないのが現状です。
それでも、外の車の音や家族の生活音、エアコンの音が気になって寝つけない人にとって、一定の音で気になる音を目立たなくする方法は試してみる価値があります。大切なのは、音量を控えめにすること、自分に合う音を選ぶこと、そして音に頼る前に寝室の環境そのものを整えることです。
研究でわかっていること
米ペンシルベニア大学の研究者らは、2021年に学術誌Sleep Medicine Reviewsで、ホワイトノイズのような連続した音が睡眠を良くするかどうかを調べた研究を集めたシステマティックレビューを発表しました。対象になった研究は、使った音の種類も、睡眠の測り方も、比べる条件もばらばらで、結果も「睡眠が良くなった」から「かえって乱れた」まで分かれていました。研究者らは、連続した音が睡眠を改善するという根拠の質を「非常に低い」と評価しています。
これは「効果がない」と証明されたという意味ではありません。きちんとした方法で確かめた研究がまだ足りない、ということです。気になる音を覆い隠す使い方で寝つきが楽になったと感じるなら、続けてかまいません。ただ、毎晩なんとなく大きな音を流し続けるより、必要な場面に絞って使うほうが無難です。
静かな寝室が基本
音の前に考えたいのが、寝室の静かさです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、寝室内で測った騒音が睡眠効率の低下や、寝つくまでの時間・夜中に目覚めている時間の長さと関連していたという研究を紹介し、静かな睡眠環境を確保することが重要だとしています。睡眠中に騒音を聞かせた実験では、目覚める回数が増え、深い睡眠が減ったという結果も報告されています。
ガイドでは、欧州のWHOガイドラインが夜間の屋外の騒音を40デシベル未満にするよう勧めていることにも触れ、外の音が気になる場合は防音性の高い窓や壁で音をさえぎることも重要だとしています。窓を二重にする、厚手のカーテンにする、耳栓を試すといった方法で外の音を減らせるなら、それが先です。睡眠用の音は、その上で残った音を目立たなくするための補助と考えましょう。
ホワイトノイズ・ピンクノイズ・自然の音の違い
睡眠用の音は、大きく次のように分けられます。
- ホワイトノイズ。 高い音から低い音まで、あらゆる高さの音が同じ強さで混ざった「サー」という音です。テレビの砂嵐の音に近く、さまざまな物音を覆い隠しやすい反面、高い音が耳につくと感じる人もいます。
- ピンクノイズ、ブラウンノイズ。 ホワイトノイズより低い音の比重が大きく、「ザー」「ゴー」という落ち着いた音になります。ホワイトノイズが耳ざわりな人は、こちらのほうが合うことがあります。
- 雨や波などの自然の音。 一定のようでいて少しずつ変化する音です。聞き慣れた心地よさを感じる人が多い一方、雷や波が砕ける音のように急に大きくなる部分がある音源は、眠りの妨げになることもあります。
- 環境音、扇風機やエアコンのような音。 単調で変化が少なく、生活音を覆い隠す目的には向いています。
どれが良いかは人によって違います。いくつか試し、寝つくまでの時間や夜中の目覚め方が自分の感覚としてどう変わるかで選ぶのが確実です。
睡眠用の音を使うときの注意点
- 音量は小さめに。 気になる音がちょうど目立たなくなる程度で十分です。大きな音を一晩中流すと、それ自体が眠りの妨げになりかねません。
- スマホはなるべく耳から離して置く。 枕のすぐ横に置くより、少し離れた場所から部屋に音を広げるほうが、音量を上げすぎずに済みます。
- イヤホンを付けたまま寝るのは慎重に。 寝返りで耳が痛くなったり、イヤホンをつないだままにしてアラームまでイヤホンから鳴ってしまったりすることがあります。
- 急に大きくなる音を避ける。 雷や鳥の鳴き声など、途中で音量が跳ね上がる音源は目覚めのきっかけになります。単調な音のほうが無難です。
- 画面は消して使う。 音を流すためにスマホの画面を明るいままにしておくと、その光が眠りの妨げになります。厚生労働省のガイドでも、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることを勧めています。
- アラームと同じ端末なら音量の関係に注意する。 睡眠用の音を小さくしようとして音量ボタンを押した結果、アラームの音量まで下がることがあります。iPhoneでは「設定」の「サウンドと触覚」で、アラームに使われる音量がどうなっているかを寝る前に確かめておきましょう。
音がないと眠れなくなる?
毎晩音を流していると、音がない環境で眠りにくくなるのでは、と心配する人もいます。この点についても、はっきりした研究の結論は出ていません。気になるなら、旅行先や音を流せない場所でも眠れるように、ときどき音なしの夜をつくる、だんだん音量を下げていくといった使い方を試すとよいでしょう。音に頼らなくても眠れる状態を保っておくと、安心して使えます。
Snoraの睡眠サウンド
Snoraには、雨や波の音からホワイトノイズまで、14種類の睡眠サウンドがあります。画面をオフにしても再生は続きます。睡眠サウンド14種類はすべて無料です。
同じアプリの中に、アラーム、スマホの動きによる睡眠の記録、最大90日間のレポートもまとまっています。音を流した夜と流さなかった夜で、寝た時刻や夜の動きの記録がどう違うかを並べて見ることもできます。睡眠の記録はスマホの動きから計算した推定で、医療機器による測定ではありませんが、自分に合う使い方を探す目安にはなります。
よくある質問
ホワイトノイズを流して寝ると睡眠に効果がありますか?
はっきりした結論は出ていません。2021年に発表された研究のまとめでは、連続した音が睡眠を改善するという根拠の質は「非常に低い」と評価されました。外の音や生活音が気になって寝つけない場合に、気になる音を目立たなくする目的で使うのは試す価値がありますが、音量は控えめにしてください。
ホワイトノイズとピンクノイズはどちらが眠りやすいですか?
人によって違います。ホワイトノイズは高い音も含む「サー」という音で、物音を覆い隠しやすい一方、耳につくと感じる人もいます。ピンクノイズは低い音の比重が大きい落ち着いた音です。両方を試し、自分が楽に寝つける方を選ぶのがおすすめです。
睡眠用の音は一晩中流しっぱなしでいいですか?
小さな音量なら流しっぱなしにする人もいますが、大きな音を一晩中流すのは避けたほうが無難です。睡眠中の騒音で目覚める回数が増えたという研究もあります。寝つくまでの間だけ流すか、気になる音がちょうど目立たなくなる程度の音量にしてください。
雨の音やASMRで寝るのはよくないですか?
心地よく感じて寝つけるなら、悪いことではありません。ただし、雷のように急に大きくなる音や、話し声のように内容が気になる音は、途中で目が覚めるきっかけになることがあります。単調で音量の変化が少ない音源を選び、画面は消して聞くようにしましょう。